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熱抵抗や温感
2022/08/23
夏休みもあとちょっと。少し日が短くなってきている実感があります。
築120年近くの町屋の改修工事の打ち合わせ。
断熱をどこまでするか、今後の利用の仕方や動線と併せて話し合いです。
改修の場合は工事範囲とも関わり悩ましいところです。
薄いスタイロフォーム(硬質断熱パネル)と厚みのある杉板との熱抵抗値の差と睨めっこしてみたりしたのですが、
木製建具の多いお宅で、費用対効果の高い断熱方法は、隙間風を防ぐ事。
気密性の高いアルミ樹脂サッシに変えたら?内窓を付けたら?と方法はあるものの、その家がもつ趣を残すには、反りや隙間は発生しやすいですが木製建具があってこそだと思います。
床下や天井裏の見えない部分には、断熱パネルやグラスウールの敷き込みをしますが、見える部分の隙間について、建具屋さんの修繕と、モヘヤの取り付けでどれくらい効果を感じられるか、実験的ではありますが施主さんと許容範囲を探っていきたいと思います。
室内平均温度よりも、夏のさっと通る風の通り道を残したり、冬の隙間風を防いだりで得られる体感温度が、快適さに直結します。
100年前から比べると、平均気温は2度も上昇していると言われる現代ですが、
お家と一緒に残される風鈴や簾戸(すど)、1人に一つずつあったミニ火鉢から、豊かさや快適さを感じられるお家を残したいです。
スタッフ山口