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【現場レポ】美装屋さん
2023/04/04
建築現場で工事完了し、引き渡し前に行う全体お掃除をするのが美装屋さんですが、改修工事の現場では、工事中の段階でも色々とお世話になることがあります。
町屋改修の現場にて、2階の天井に昔の雨染みがありました。
今回の改修工事で屋根は下地からやりかえたので、新たな雨漏りの心配はありません。
雨染み跡のないところは、柾目の綺麗な天井板で、天井板ごと張り替えるのはもったいなく、ただ、寝室や客間として使い、見上げる事となる天井をこのままという訳にもいきません。
そこで、美装屋さんにあく抜き作業をしてもらいました。
天井裏に染み込み抜け出てきたアクなので、表面だけにあるシミではないのがクセ者です。
ひどく濃いアク汚れ部分は、少し漂白に近い作業も行わなくては、目立たなくなりません。ただ、漂白しすぎて木材の油分もとりきった、カサカサな材になってしまうことは、施主さん含め私たちの本意ではありません。
汚れが綺麗さっぱり無くなる事がゴールではなく、今の経年変化を残し、材の良さを損なわないところまでにとどめる、とても塩梅の難しい作業です。
あく抜き後の材にも出来るだけ着色はせず、オイルで濡れ色になるところまでで馴染ませられるか、塗装屋さんも交えて、打ち合わせしました。
濡れふきんであく抜き後の材を湿らせ、オイル塗りだけをした時の濡れ色を確かめている様子です。
ただいま別の目立たない箇所で絶賛『なじみ』具合の調整中です。
仕上がりはまた完成レポにて。
その他にも、欄間ガラスに残ったタバコのヤニ汚れや、食堂ドアのガラスの汚れの取れ具合の試験をしてみたり、やること盛り沢山な美装屋さん。
でも、使う剤の説明や、屋外作業の時は温度環境で反応しづらいことの考慮など(別現場の事例です)、実際の清掃作業だけでなく付随する諸々まで、丁寧な仕事をしてくれます。
たかがクリーニングではない、美装工事、ありがとうございます。
アクも渋みもないけど、面白味はほしい、スタッフ山口